抜かない矯正について

• Q1.歯を抜くか、抜かないか、どう判断すればよいですか
• Q2.歯を抜く矯正治療にはどのようなリスクが考えられますか
• Q3.他院では「抜歯しないと矯正できない！」と言われてたのですが、抜歯せずに矯正したいです
• Q4.矯正は抜歯しなくてもできるのでしょうか？
• Q5.歯を抜かない矯正のメリットは何ですか？
• Q6.歯を抜かない矯正のデメリットはありますか？
• Q7.なぜ歯を抜かないで、デコボコの歯並びを整えられるのですか？
• Q8.非抜歯矯正は治療が終わるまでに何年くらいかかりますか？

Q歯を抜くか、抜かないか、どう判断すればよいですか

A

最近、歯を抜かない矯正治療が注目され、多くの患者さんが「歯を抜かないなら矯正治療を受けたい」と考えるようになっています。しかし、矯正治療において歯を抜くか抜かないかの判断は、患者さんの希望だけで決めるべきではありません。治療の選択肢をしっかりと理解し、専門家の意見を聞くことが重要です。

歯科医院によっては患者さんの希望に応じて「歯を抜かないで治療しましょう」というアプローチを取ることがありますが、これは特に重要な決定です。矯正治療においては、噛み合わせや口腔内の健康が最優先されるべきで、単に美容的な観点からだけ判断することは避けるべきです。

歯を抜いて矯正するか、抜かずに矯正するかは、噛み合わせの高さや歯列のバランスに大きな影響を与えます。
治療に関する選択肢には、ブラケットの素材や矯正の方法など、さまざまな要素がありますが、ブラケットの色や素材と違い、歯を抜くか抜かないかという問題は単なる好みの問題とは異なる深刻なテーマです。
治療を受ける前に、クリニックの方針や歯科医師の考えをしっかり確認しておくことが大切です。

Q歯を抜く矯正治療にはどのようなリスクが考えられますか

A

歯並びが悪い方で小臼歯を抜いて矯正した場合、歯と歯の間に隙間が残ることがよくあります。これは、歯の大きさと顎の長さを基にして抜歯を行うべきところを、どの患者さんにも等しく小臼歯を抜いてしまうと、あまり歯並びが悪くない患者さんにとっては抜いたスペースが大きすぎることになり、隙間ができてしまいます。隙間を解消するために歯列のカーブを小さくしてつじつま合わせをしようと歯を内側に倒してしまうと、今度は嚙み合わせが悪くなるという別の問題が生じます。

また、歯並びがそれほど悪くない場合に、小臼歯ではなく前歯を1本抜く選択をすると、左右の歯並びが非対称になってしまいます。このように、歯を抜いて矯正治療を行うことには、さまざまな問題点が存在します。
一方で、歯を抜かない矯正治療では、歯を外側に広げたり、後方に動かしたりして歯を並べることが可能です。この方法では、矯正後に隙間ができる心配が少なく、健康的な歯並びを保つことができるのです。

Q他院では「抜歯しないと矯正できない！」と言われてたのですが、抜歯せずに矯正したいです

A

抜歯しないと矯正できない」ということはありませんが、患者様が何を望まれているかで、最適の治療方法が違ってきます。でこぼこの歯並びを改善したり、歯が出ているのを改善するのであれば抜歯しなくても矯正できますが、「口ゴボ」と言われる横顔の輪郭を変えたいのであれば「抜歯しないと矯正できない」ということは当たっています。

同じ歯並びの方でも、患者様が何を気にされていて改善したいと思われているかで「抜歯したほうがいい」矯正治療と「抜歯しなくてもいい」矯正治療が違ってきますので、患者様が気にされていることを明確にして、そのための治療方法として「抜歯したほうがいい」のか「抜歯する必要が」のかは、複数の歯科医院でご相談されることをお勧めいたします。

Q矯正は抜歯しなくてもできるのでしょうか？

A

「矯正治療＝歯を抜く」と考えられている方も多いようですが、患者様の歯並びによっては、歯を抜かないで矯正できるケースは沢山あります。

歯を抜かないとできない矯正治療というのは、歯並びの改善よりも口元の骨格の改善によってEラインをきれいにしたい場合は抜歯矯正が必要になりますので、患者様が悩まれているのが歯並びだけでしたら抜歯をしなくても矯正できる可能性は高いです（その場合でも親知らずは抜歯するケースがあります）

Q歯を抜かない矯正のメリットは何ですか？

A

１番は「虫歯でもない歯を抜歯する」ということに抵抗がある患者様が多いので、歯を抜かずに矯正できるとなると患者様は大変喜ばれます。「抜歯しないといけないんだったら矯正自体をあきらめる」と言われる人も結構いらっしゃいます。

次に、女性の方で「口元を引っ込めたくない」という方には歯を抜かない矯正のほうが適しています。

最後に、私の経験になりますが、歯を抜かないで矯正した場合には、矯正後に頭痛、肩こりなどの不定愁訴が改善される方が大変多いです。

Q歯を抜かない矯正のデメリットはありますか？

A

デメリットと言いますか、歯を抜かない矯正では口元のEラインを改善することはできないです。

次にあまりに重度の凸凹症例を無理に歯を抜かないで矯正しますと、口元が前突して出っ歯になる可能性があります。

あと、歯を抜かないで矯正する場合に一番難しいのが、奥歯を後方に動かすテクニックなので、この技術力の差がクリニック間で大きいため、歯を後方に動かせないクリニックで歯を抜かない矯正を行うと、矯正後に出っ歯になってしまう可能性が高くなってきます。

Qなぜ歯を抜かないで、デコボコの歯並びを整えられるのですか？

A

矯正治療で歯並びを整えるためには、おっしゃられる通りにスペースがなければ歯を並べることが出来ないです。
抜歯矯正の場合は、歯を抜くことで７～８ｍｍのスペースを一度に確保できますので、そのスペースを利用して歯並びを治していきます。

一方、歯を抜かない矯正では、歯並びのアーチを広げたり、奥歯を親知らずの方向に移動したり、歯を削ったりしながら並べるスペースを確保します。
この中で一番無難しい動きが、「奥歯を親知らずの方向に移動する」動きです。歯を抜かない矯正の出来上がりはこの動き次第といっても過言ではないです。

患者様のデコボコや出っ歯の程度によって、歯を動かす際に必要なスペースが決まってきますので、必要なスペースを確保できるのであれば歯を抜かなくても矯正が可能なのです。

Q非抜歯矯正は治療が終わるまでに何年くらいかかりますか？

A

非抜歯矯正と言ってもワイヤーでの矯正やマウスピースでの矯正やそれぞれの医院での治療方法が異なりますので、一概に何年と断言はできませんが、マルチループワイヤー方法を使用している歯科医院なら１～１年半ぐらいで終了するところもあります。

一方マウスピースできちんと奥歯を後方に動かそうとすると、２年～３年ぐらいかかったりします。

一般的に歯を抜く矯正よりも歯を抜かない矯正のほうが治療期間は短い場合が多いです。